「コンビニ人間」を読んでみた
現代社会について考えさせられる本
そうどこかで聞いていた。
主人公は周りから見たら変わった人間なのであるかもしれないけれど、私は幼少期の話が1番印象に残った。
小鳥が死んだ時に主人公は「これ、食べよう」と言った。
周りは小鳥が死んで可哀想、墓を作ってあげようと言ってる中、彼女はお父さんが焼き鳥が好きだから持って帰って食べたら喜ぶと思ったのだ。
案の定周りからは怪訝な目で見られた。
彼女はなんでかもわからず、小鳥のために花の死体を供えられてるのを見た。
この「花の死体」って表現がとても好きで印象に残りました。
小鳥が死んだら悲しむのに、花は簡単に殺せるんだなって。
確かにね。そういうところに気付く彼女はとても敏感で平等に世界を見ることが出来る人なんだろうなって思った。
就職をしたら普通?結婚したら普通?
働くのが当たり前?人と同じことをするのが普通?
そういう主人公の葛藤や周りの意見が、そう考えさせられました。
私は主人公とは違う人間ではあるけれど、彼女を変とは思わなかった。
彼女が最後に出した決断。
それは私はとても腑に落ちた。
彼女はなにも感じない、どうでもいいと言った面を多々見せながらも、周りと同じように悩み、考え、前に進みながら変えている。
周りのために変えながらも最後は自分のために決断するところがとても良かった。
この本を通して、少しでも自分と違う人を認める考えを持てる人が増えたらなって思った。
そして、責任が取れない干渉や言葉は発するものではないのかもしれないとも思った。
面白くて一気に読める本でした。
私は一度気が逸れると元に戻るのに時間がかかるか、逸れたままのが多いのだけど、この本は一度半分まで読んでそのまま置いてて、また読み始めた時はそこから一気に読めた。
時間があればあっという間に読める本なので、読んでみる価値はあると思う。
私からしたら、彼女の言われたことはそのままやる。全部覚えて全部実行する。
それはとてつもなく凄い才能だと思う。
途中、彼女と、そして同じように周りから変と思われてる男性との生活が少しあるのだけれど、「逃げ恥」のようにガッキーのように可愛く、星野源のように素敵な男性との出会いはなかなかないもんだよなあとも思った。